鍼灸の効果のメカニズムは、様々な鍼灸師をはじめ、内外の研究機関、医療機関、医大、鍼灸大学、専門学校等で意欲的に研究されています。
20年ほど前に画像診断のMRIやCTなどが普及し始めたときに当時鍼灸の学生だった若い頃の私は、これで脳という人体の宇宙の一端から身体全体のことや鍼灸というものの科学的な説明が10年先、20年先には大きく飛躍し、鍼灸のしくみの多くのことが解明されることだろうということに心が躍りました。
それから月日が流れ今を振り返ると、個々のことでは着実に鍼灸の理論は積み重ねられていますが、まだまだ伝統的な鍼灸というものの本質には遠い状態であることは否めません。
しかし、同時に日々様々な療法の臨床家や研究に携わる方々、患者さんからもネット等の普及で日本のみならず世界中で新たなる興味深い事柄も発信されています。
科学的な一般の見方では、鍼灸の刺激が自律神経系、内分泌系、免疫系等に作用して、その結果として中枢性(脳や脊髄)及び反射性の筋緊張の緩和、血液やリンパ液の循環の改善等の作用があり、そのことで、生体の恒常性(病気を自然に回復させる作用)に働きかけるのではないかと考えられています。
このことを簡単に言い換えると、
鍼灸というものは自然環境の中にいる私たちの全身にある気の流れに目を向け、その要所(ツボ)にはりやきゅうを行うと、からだ全体を整えることができ、気血の流れをよくして、
自然快復力に働きかける療法です。
そして過去に、東洋で発展してきた伝統的な治療法といえます。
その『鍼灸の鎮痛効果』も科学的(神経生理学的)には以下のように説明されています。
鍼の刺激が脊髄で痛みを抑制する。
鍼の刺激がモルヒネ様の鎮痛物質の遊離(分泌)を促し痛みを抑制する。
鍼の刺激が末梢神経の痛みのインパルス(電気信号)を遮断する。
痛みの感受作用を鈍感にしたり、痛みを感じない状態にする。
鍼の通電効果による鎮痛(電気鍼)などでよく知られている。
筋肉の緊張をゆるめ血行状態を良くする。