はりを使わない経絡の流れの調整 〜IPコードによる経絡疏通〜
IPコードと火針（燔鍼） などを使用して、風邪（ふうじゃ）治療をします。
はりやお灸が怖い、苦手な方でも、皮膚接触（軽い刺激）だけでも
経絡（気）の調整をすることができます。
『摩訶不思議なIP治療の簡単な歴史』
『摩訶不思議なもの』と書いてしまいましたが、鍼灸師である私が『摩訶不思議』と話してしまってはお話にならないことなのですが、普通一般の概念から考えてみれば当然『摩訶不思議』なものです。
しかし、『経絡現象』といわれている事柄は、鍼灸の治療というものを考える上では、とても重要なベースとなる考え方です。
古来より伝わる東洋医学の考え方では、はりやきゅうは単なる刺激療法ではなく、『気の流れ道』といわれる『経絡の流れ』を調えることによって病を治めることだと言われます。
元々 IPコードというものは、間中喜雄（医師）という人（今ある磁気治療やイオン電気治療の研究の元祖ともいうべき先生）が火傷の痛みの治療や研究からヒントを得て考えついたといわれています。
理論としては痛みのあるところは＋（陽極、＋イオン）が多いのでそれを別のある部分に放散（拡散？）することで痛みを減少させるという説でいわれています。
IPコードは、単なる『ダイオード』が入ったもので、コードである部位とある部位を結ぶと『電流（電子）が一方にしか流れない』という原理になっており、＋イオンが−イオンに置き換えられるということで痛みが減少するということで火傷の痛みなどに痛みが比較的短時間で緩和するというのが知られています。
私自身鍼灸師になる以前には『IPコード』という直接の呼び名は知らなかったのですが、鍼灸の治療法の中に、あるツボとあるツボをコードで結び体の電気の偏り（イオンバランス）を調整し、治療するという方法があるということは以前から知ってはいました。私たちがこれらの治療法などをみたり、施術を受けるという体験ができるのは鍼灸院や接骨などかもしれません。
同様のものにスポーツ選手のチタンテープや磁気などのネックレス、金属粒や磁石を貼られたりしたことがある経験のある方も多いかもしれません。
、経絡現象というものを仮定して手足にあるツボとツボにハリをしたり、極性や電位のことなる対照的なものを貼付する。または直接このようなコードで手足のツボとツボを結ぶことでもハリの効果と同様な感覚や効果が得られたりと現在でもこれらのことを応用した様々な治療法があります。
IPコードやこれら金属粒などの貼付の利点は、皮膚の反射的な現象を利用した『瞬間経絡現象』という名前で呼ばれたりしており、比較的短時間で、からだの違和感などを取り除きやすい点にあります。
施術前にお腹の脹りや緊張のある部分を確認し、ツボとツボをコードで結ぶと5分程度でお腹の脹りが消失したり、減弱したりします。
気分的にも『からだが軽くなる感じ！』『スッキリした』という感覚があり、体のイオンバランスがとれるともいわれています。
目に見えない経絡という気の流れのルートを仮定してからだ全体の経絡のバランスをとる方法として考えてみるととても興味深いものです。鍼灸や経絡の基本的なことがわかると『摩訶不思議』ではないのですが、そんなことよりも、はりやお灸が苦手、怖いという方でも安心して経絡のしくみ、気というものの働き、東洋医学の考え方を利用した治療が受けられることです。
微妙な、刺激と呼べないほどのものでもからだは変化する
ハリを刺さずにハリ先を軽く皮膚に接触する。この単純そうにみえることでも皮膚の場所によっては痛みの感じ方がまるで異なる。ハリ先を数ミリずらしただけでもからだの感じる痛みは全く違う。
─古来からある鍼灸療法の繊細さが垣間見えるものです。
IPコードによる治療は、日常の体調維持程度ならば服薬に変わるほど十分なものである思います。またこれら療法の利点は体への侵襲なしで実現できることで刺鍼やマッサージ後の張り返しや違和感もないのが利点です。
『痛くないはり』・・・痛くなく鍼を打つ方法と技術で治療します。
また様々な経絡や穴（ツボ）を使うことで応用が拡がり、実際的にはりや灸を行うツボの意味を考える参考になったり、経絡という実体がわかりずらいものを実感する上でも、比較的短時間にからだの変化を実感しやすいものなので、ツボや鍼灸の仕組みを知りたい方はぜひ治療を体験してみて下さい。
→ また、少し分かりずらいかもしれませんが、ブログでのご説明も参照してみて下さい。