鍼灸や漢方の風邪を抜く治療 の考え方
〜風邪(かぜ)は万病のもと〜
当院では風邪抜き治療による体質改善をしています
鍼灸や漢方の東洋医学では症状に出てこないからだに残ったままの風邪を少しずつ取り除いてゆき、未病といわれる体調不良を改善してゆく考え方があります。
風邪をあまり引かない、症状があまり出ない。
というのは免疫力が低下していて発熱、発汗、のどの痛み、せき、くしゃみ、鼻水などの本来出るはずの抵抗力が低下している状態かもしれません。
また冷え症などで体温が1℃違うと免疫力は1/5になってしまうとも言われています。
ここ数日体調がどうもすぐれないと感じる時は、
東洋医学でいう症状に出にくい小さな風邪が侵入していることが多いことを感じます。
体質が丈夫な方は入浴や運動で風邪を抜くことを自然とおこなっていて、ご自身の回復力で数日で本来の体調に戻しています。
長い間続く体調不良を感じる時は少しずつ入浴や軽い運動で風邪を抜いてゆきましょう。
施術により日頃の積もった風邪が抜けるようになると症状がハッキリとした子供の引くような風邪の引き方になり、風邪による様々な症状も強く出るようになります。
そして自身の免疫力を使ってうまく経過させた風邪は、
それまで溜まった疲労やからだの捻じれを調え、
風邪後に『抜けた〜』という感じやスッキリした元気な本来のからだに戻ったような感覚になります。
まるで風邪を利用して日々の疲れが溜まったからだを、
ある時期に自分自身で整え・リセットしているとも言われています。
・症状にあらわれにくいカゼとは?(隠れカゼ?)
◆風邪はさまざま病邪を引き連れてくる!?
風邪はさまざまな病邪の先導者となって、風+寒 風+湿、風+湿+熱、風+燥などと複合的に身体を侵襲します。
もともとある内傷の素因(その人の偏り)と合致したものが発症しやすくなります。
元々ある内傷+風邪
例)
もともと油っこいものや味の濃い物を多く摂っていて、湿がたまっている方などは風寒や風湿、風湿熱などの風邪にかかりやすくなっていて、その風邪をひいて花粉症(鼻炎 目の腫れ のどの腫れ)関節の腫れ痛みなどになると漢方では考えます。
→ その方の体質によりかかりやすいタイプの風邪があると考えています。
(油っこいものや味の濃い物、甘い物、お酒はからだに湿を溜めると言われています)
◆当院での体質改善は、『風邪抜き・冷え取り治療』が中心となります。
風邪抜きの治療法
気功 はり きゅうでおこなうもの
火針(燔鍼) てい鍼(刺さないはり)を使用するもの
IPコードでおこなう経絡臓腑調整(経穴どうしを左右や上下でコードで結ぶ)もの
などの経絡調整の施術を行います。
20〜30分ほどで行う短時間の施術です。
風邪(カゼ、ふうじゃ)が入ってそれほど経っていないものでしたら一週間のうち数回の施術でご来院頂き風邪を抜く治療を行います。
風邪(カゼ、ふうじゃ)が抜ければ、体調自体がスッキリした感じに戻り『なんか体調がスッキリしない』という状態から、それ以前の元気な体の状態に戻る感じを実感して頂けます。
『カゼが抜ける』という感覚は実際に体感して頂かないとなかなか説明が難しいものなのですが、俗に、昔からいう『どうもカゼで...体調が悪い』という感覚が普段の状態に戻るという感じです。
◆自宅での風邪(カゼ、ふうじゃ)の治療法(養生法)
・自宅灸
(おすすめです 自宅で行って頂ければ来院回数が減らせ、早い体質改善が望めます)
・足湯(フットバス)
足首まで・・・あたまや顔のカゼを抜く
膝まで ・・・胃腸のカゼを抜く
・腰湯・・・下半身の冷えを抜く 足腰の力をつける
別紙 温度計入浴法も読んでみて下さい
※日本の気候では経年のシャワーだけでは体調不良をおこす方が非常に多いです
痔の原因の一つ → 下腹部の血行不良 骨盤の引き締め不足(生殖器機能低下)
腹筋力低下 足腰の虚弱 便秘 下痢 排尿異常
漢方では下腹部のお血(古血ふるち)「丹田」の力不足
たまにはリラックスしてゆったりと湯船につかりましょう。
ストレッチやラジオ体操などの軽い運動はとてもいいものです。
◆参考図書 『風邪の効用』 野口晴哉 ちくま文庫
風邪は自然の健康法である。風邪は治すべきものではない、経過するものであると主張する著者は、自然な経過を乱しさえしなければ、風邪をひいた後は、あたかも蛇が脱皮するように新鮮な体になると説く。本書は、「闘病」という言葉に象徴される現代の病気に対する考え方を一変させる。風邪を通して、人間の心や生き方を見つめた野口晴哉の名著。
解説 伊藤桂一 より抜粋