現代医学では慢性疲労症候群といわれているものも含みます。
どんなに元気な方でも多くの労働や体を使う、頭を使うなどのことが多いと疲労は溜まりますが、普通は食事に少し気を使い、入浴して軽く発汗し、充分な睡眠をとれば疲労感は抜けるのが普通です。
そのようなことを数回してもからだの疲労感が抜けない、どうもからだの調子が悪く動くのがどうも億劫な感じ。などという場合は漢方の風邪が溜まった状態です。
日頃体調がそこそこ良い方でも、小さな風邪に侵された状態になるとやけに肩凝りを感じたり、頭痛や忘れていた腰痛が再発したりと風邪により、それまでの日常生活の節制を怠ったことで皺寄せがきている臓腑や経絡の流れに不調を感じ出します。
そのような状態が何度も続くと風邪が抜けきらずに溜まった状態となり、それがいくつも重なってくるとどうも体調がよくなく元気感がなくなり、次第に動くことも億劫に感じる。どうも頭がスッキリせずボーっとした状態が長く続いてしまうようになります。
補気(ほき)というからだの気を増す施術と風邪を抜く治療が主体となります。
ある程度からだの気の総体的な量が増し、気のめぐりがよくなるとだるさ・疲れやすさ、疲労感が抜けないといったことは、風邪が積もってこないかぎりなくなってきます。先ほどいった入浴や栄養に少し気をつければ十分疲労感は回復するものです。
自宅でのお灸は、もぐさの燃える火の力(生命の活力源)により冷えや風邪を取り除き、気の総体量を増します。ぜひ少しずつ自宅でも続けてみて下さい。
気の総体量があまりに不足している場合は並行して補気作用のある漢方薬を1~2ヵ月程度服用して頂いたり、数日から1週間ほどその時の状態に応じた風邪や邪(からだにとって余計なもので、余分な水や濁った血、おけつ)などを取り除く漢方薬の併用をお願いすることもあります。
『鍼灸などで即効性を出る』という理由の一つにこの風邪の治療があります。
風邪の蓄積度が低い、健康度の比較的高い方の場合の方は、わずかな軽刺激やからだの数か所のポイントに施術したり、手足にある穴を使い上下左右のバランスをとることでその場で体の感覚の違い『スッキリした感じ』や『動きの軽さ』を感じられます。
是非当院の、日頃の溜まった冷え取りと風邪抜きの鍼灸をお試し下さい。