歯肉炎、歯槽膿漏、口内炎、口角炎は東洋医学でも様ざまな分類
がありますが、頬のや顎まわり、歯茎などは大腸の経絡と胃の経絡
の流れに大きく関連します。
上の歯は胃の経絡、下の歯は大腸の経絡との繋がっており、どち
らも体内の胃腸の働きと密接なつながりがあります。東洋医学的に
みれば胃がすこぶる健康で大腸だけが凄く悪いということはあまり
なく、胃が悪ければ小腸も大腸もそれなりの負担が来ていると考え
るのが普通です。
胃や腸の状態の機能低下が続くとその大本締めの脾臓という
東洋医学(鍼灸・漢方)独自の機能低下になってきます。
通常は外食が多い、油っこいもののとりすぎや、甘いもののとり
すぎなどの偏った食生活などで、胃腸に元々熱が溜まっているよう
な時に、さらに風邪などの侵襲がきっかけとなり症状が出てくるこ
とが多くなります。胃の熱や胃腸の元締めである脾という臓の湿熱
。小腸や大腸の熱や水毒の熱が(熱は上に昇るという自然の法則に
より)からだの上部の顔面部に昇ってきた時にあらわれる症状です。
そして皮膚上の皮膚の異常としては、胃や大腸の経絡という気の流れ道沿いに吹きでもやニキビ、皮膚炎を起こしやすくなります。
同様の病態には
ニキビが出来やすい、
吹き出ものが出来やすい、
口内炎、口角炎ができる、
擦り傷などが化膿して治りずらいときなども、
胃腸の湿熱が溜まっている状態なので、
胃腸の湿熱を取り除く治療をして、食養生でなるべくさっぱり
したもので胃腸の負担が少ない食生活にするとよくなります。
便通の異常では、
このようなときに湿便や泥状便といわれる軟らかい便が出ること
が多いのが通常です。
これは湿便により体内の水毒を抜いているために便が軟らかくな
ります。
ですからからだの排泄機能として考えるとこの状態の軟便は悪い
ものではありません。
むしろ、胃腸に湿熱が溜まって歯茎が腫れたり、歯が浮いて痛い
状態の時に便秘をしていると症状は強くなり胃腸の状態が通常より
も低下している状態となります。
このようなときは漢方薬では下剤をかけたり、鍼灸でも排便を促
す治療が優先されます。