高血圧症・低血圧症
近年、生活習慣病の一つとされ、心臓疾患(狭心症や心筋梗塞)
、脳卒中(脳梗塞など)、腎不全などの原因となるといわれ、
現代医学では、降圧剤を使い即効的に血圧値を下げ、以上のような
脳卒中や心筋梗塞の予防手段としての療法が用いられています。
降圧剤は薬の中でも的確に、そして即効的に効果があらわれ、血
圧が正常値にもどれば、高血圧が原因となって起こっていたさまざ
まな不快な症状(例えば頭痛、肩こりなど)も軽減されますが、服
用を中止すれば、もとの血圧の高い状態にリバウンドしてしまうの
で、場合によっては危険なことがあります。
このことは、対処療法として降圧剤が強制的に下げているので、
根本治療ではありません。
近年はどんな病気もなるべく早い内に対処するという予防医学が
呼びかけられています。なるべく血圧が高い状態であっても、早期
に体質改善に取り組めば、高血圧によって起こる様々な病気を予防
することができます。
当院では様々な高血圧症やその予備軍の患者さんと日々接してい
るなかで、少し具体的なことを書いてみたいと思います。
どんな病気や症状も同様なことが考えられるのですが、必ずその
症状や病気が起きる原因というものがあります。
東洋医学(鍼灸・漢方)ではそのことを『病因』と呼びます。
『病因』は、精神的ストレスであったり、食生活であったり、運
動不足であったりと様々ですが、その方の生活の状態と密接に関わ
っていることは確かです。
東洋医学(鍼灸・漢方)では、西洋医学の薬のように劇的に服用
すればすぐ血圧が下がるというものではないので(下げるためだけ
ならば今ある降圧剤で十分です)、高血圧の原因を探し、身体自体
に働きかけ体質を改善することを考えます。
東洋医学(鍼灸・漢方)では食生活の見直しやストレスを緩和さ
せることを併用し血圧自体を正常値に戻すような身体にすることを
治療として考えています。
例えば継続的な施術により、血圧が下がった場合には、その後降
圧剤を服用していると血圧低下がみられたり、またその患者さんの
主治医の先生が注意して診ていらっしゃる場合には降圧剤の服用を
中止されたり、様子をみながら次第に弱い薬などに変えていかれる
先生もいらっしゃいます。
体質改善という少し長期的な通院が必要となりますが、降圧剤を
服用し始めて早期、または高血圧といわれながらまだ服用を見送ら
れている段階の方では比較的短期間で高血圧が改善されることが多
いです。
高血圧自体はそれほど直接的な症状を起こすわけではありません
が、先ほどの心臓疾患(狭心症や心筋梗塞)、脳卒中という大きな
病の主要な原因となりうるのでなるべく早期の内に私たち自身のか
らだと向き合って頂ければと思います。
80mmHg以下のことといわれますが、10年ほど前には100mmHg以下の
方は低血圧症といわれていました。
血圧が低くなると...
朝が起きずらい、眠れない、
頭痛、めまい、だるさ、偏頭痛、頭重感
食欲不振、吐き気、下痢、便秘、腹痛
貧血、動悸、息切れ、不整脈
異常発汗、冷え
気分が落ち着かない、不安感、いらいらする
というようなことが起こります。
一般的に自律神経失調の状態です。
同じ患者さんが並行してよく口にするのは低体温や貧血であることです。
現代では小児期からの低体温症が問題になっています。
これらの低血圧症は、現代医学では特定の病因や疾患がないこと
がほとんどで、同じ血圧の異常である高血圧症のようには危険視は
されず、また危険な合併症も起こりにくいので、現代医学では積極
的な治療はあまりされていないもので、以上のような症状と御自身
の体温や血圧を照らし合わせて、自律神経系の不調ということで東
洋医学(鍼灸・漢方)ではみてゆきます。
このような現代医学では病気と見なさない身体の症状を、
東洋医学(鍼灸・漢方)では重要視し、『未病』という概念としてもみてゆきます。
一歩ずつにはなりますが、身体の根本から元気が出てくるお灸による治療が有効です。お腹の「丹田」のお灸、足三里のお灸など。
当院ではその他、全身のバランスを整え、東洋医学(鍼灸・漢方
)の独自の『風邪は万病のもと』という考えから、長年蓄積した風
邪を抜く施術を行っています。