潰瘍性大腸炎は、
東洋医学でも昔から治すのには時間のかかる病気だったようです。
鍼、灸、按摩、薬(食養)、気功を取り入れながら、呼吸を調える。
鍼灸なら呼吸を楽にする配穴、腹部瘀血を取り除く治療。
そしてお腹(大腸)に留まった風邪「風根」を抜くことです。
◆伏梁(ぶくりょう)、積 潰瘍性大腸炎 お腹の瘀血(古血・ふるち)
お腹の伏梁・積について。
呼吸と下腹部(丹田)
なんだか、脇下が脹って胸などがパンパンになっているような感じがして、
気が上に逆流(上逆)し、息(呼吸)がしずらい感じが2~3年も治らない症状が
ありますが、これは何という病気なのだろうか?
これは息積という病です。
(呼吸がうまくできず、呼吸がしずらい感じで
息(気)が脇下や胸に積もってしまうという名前です)
食欲は妨げられませんが、呼吸の仕方の問題もあるので、
通常の鍼やお灸のやり方ではダメです。
積(しゃく・せき)を治療するには※導引(気功法)によって
気血の流れを整えながら薬を使います。
薬の単独でもダメです。
腰・殿~股関節まわり、腿(ふともも)、膝下の下半身がみんな腫れた感じ
になり、臍(へそ)の周囲(ぐるりと環状)を手で押すと痛がる患者さんがいるが、
これはどんな病気なのでしょうか?
「伏梁」ぶくりょうという病です。
この臍(へそ)の周りのしこりのような硬いものは
「風根」といいます。
風邪久しく体内に留まったもので、「風の根」といいます。
この「風根」の邪気は大腸に溢れるように広く分布し、
※肓膜(こうまく)に付着してしまっています。
肓膜の付く元は臍(へそ)の下の丹田です。
なので、臍(へそ)の周囲が痛みます。
これを按摩などで強く圧し動かして取ろうとしてはいけません。
動かしてしまうと、小便が出ずらい病に為ってしまいます。
※導引(気功法):現在の気功や運動のこと。
腹式呼吸など呼吸を整え、吐故納新(濁を吐き、清を納める)し、
心と体をリラックスして、精と神を一つにする。
手や足、体を動かして、気血の巡りをよくする。
調息、調心、調身。
快食、快眠、快便、適度な運動と呼吸。
※肓膜(こうまく):現代の解剖学でいう「大網」など。
臍(へそ)の周囲から繋がっているお腹の裏の広い組織。
【参照】
『霊枢』九鍼十二原篇(01)に
「肓之原出於脖胦(気海)」とあり。
【参照】
『素問』腹中論篇(40)
====================================================================
帝曰 病脇下滿氣逆 二三歳不已 是爲何病
岐伯曰
病名曰息積
此不妨於食 不可灸刺 積爲導引 服藥 藥不能獨治也
帝曰 人有身體髀股囲皆腫環齊而痛 是爲何病
岐伯曰
病名曰伏梁
此風根也 其氣溢於大腸 而著於肓 肓之原在齊下
故環齊而痛也
不可動之 動之爲水溺濇之病也